neisan2009-01-08

東京都現代美術館MOT)のバックヤードツアーに行ってきた。普段は入れない美術館の裏側を学芸員さんが案内してくれる見学ツアーです。毎月第二木曜に開催していて、500円の常設展チケットを買えば誰でも参加可能。

以下、感想レポ。ながい。

マスクに水中眼鏡、スモックにビニール手袋という完全防備で大掃除をしている途中に、ふとツアーのことを思い出して時計をみたら開始30分前だったので、ダッシュで着替えて行ってきた。
そしたら参加者ひとり。綺麗な学芸員のお姉さんとマンツーマン状態。「いつもはもっといらっしゃるんですか?」と聞いたら「もうちょっといるときもありますが、そもそもツアーが成立しない日が……えへへ」みたいな感じのご回答でした。わあ。このツアー、そもそも公式サイトに情報がない。常設展のパンフレットの裏に小さい字で一行案内が書いてあるだけ。もったいないなー。

モッズコートにジーンズ、手には筆記用具という格好で突撃したので「学校の課題で必要なんですか?」と聞かれたのですが、たまにフラフラ散歩がてら遊びにくるだけの素人ですと伝えたら、にこにこしながら分かりやすく色々教えてくれてすごい楽しかった、というか学生に間違えられただけで嬉しい年齢になりました!

まずは所蔵品数や来歴などの概要をざっと説明してくれたあとツアー開始。常設展の会場内へ向かったので、作品を鑑賞してから裏に行くのかなと思ったら、展示エリアのはじっこの隙間にあるドアからバックヤードに通じてました。秘密のドアっぽくて「おおお」と興奮。

バックヤードに入るとすぐ、作品搬入用の巨大エレベーターがあって、それに乗せてもらって保管庫へ。このエレベーターが半端なくデカかった。「うちの部屋よりもでっかいです」といったら、学芸員さんも「ええ、私のうちよりも大きいです。住めます」と。象でも余裕。

地下二階?地上三階の構造の中に、全部で四つの大きな保管庫がありました。保管庫内は土足禁止ということでスリッパに履き替え。備品収納用→絵画用→立体用→搬入されたばかりの作品用臨時保管庫の順で見学。湿度対策などの理由から、保管庫内部は床?壁?天井すべてが木で出来てた。作品に影響しないようにナラなどの油分が少ない木材を用いているとのこと。入った瞬間に「いい匂い!」と言ったら学芸員さんが「匂いします?大人のかたは何もおっしゃらないですが、子どもたちはココに入ると「バナナの匂い!」って言います」と。木の香りなんだろうけど、確かに青いバナナの香りに似てた。思いっきり言ってしまった初めての大人。

立体用の保管庫に一番興味があったけれど、「魔窟状態なのでお見せできないんです」とのことで入口だけ見学。少し残念。絵画保管庫は二階分ぶち抜いたくらい高い天井までそびえ立つ金網状のラックがびっしり並んでた。そこに引っかけるようにして絵画が収納されてた。ラックは可動式で、イメージ的には図書館の閉架式書庫を手前に引っ張りだすかんじというか。ラックを引き出して見せてくれたのですが、金網状なので絵の裏側が見られて楽しかった。あと作品のために温度と湿度が低く設定されているので、なかなか寒かったです。

いろいろ質問した中で知ったのですが、よく展示エリアのすみっこに座っている方々は学芸員さんじゃないのだなー。監守さんだったか守衛さんだったか、そういう職種名で呼ばれる方々で、外部の会社から作品保護のために派遣されているんだそうです。

ほかにもトラックヤードとか、館長室や事務室やスタジオがあるエリアを見せて頂いてツアー終了。普段見ることが出来ない専門性の高い場所って本当に楽しい。工場見学とか。それにしてもバックヤードの広さとデカさに感動した。デッカいとそれだけで興奮する。あと学芸員さんがたいへんキュートなかたでした。

楽しかったので、お時間あるかたはぜひぜひ。平日なんで難しいかもですが……。
ちなみに来週から3月いっぱいくらい改修工事で休館に入ってしまうので、今の状態は今回が見おさめ。ここ数年、夏になると開催しているジブリ関連の展示での大混雑を緩和するために、より使いやすい動線に改修するそうで。MOTはアート専門図書館や休憩コーナーが充実していて、お金を使わずに一日中たのしく時間がつぶせる素敵スポットなので、改装後の姿も楽しみ。

あと帰りに、Nadiffがやってるミュージアムショップで福袋買ってしまった。
参考までに中身は
1.マルコム?モーリーの画集(コンディションいまいち)
2.少年がテーマのモノクロ写真集(なかなか使える!)
3.テイラー?デュプリーのアンビエントCD(けっこう好みで嬉しい)
4.ポンピドゥーセンターのTシャツ(白地に銀の幾何学模様。キッズLだったのでサイズぴったり)
5.マルレーネ?デュマスのポーチと手帳(白地に赤のワンポイントで使いやすそう)
6.MOTのトートバッグ(緑。肩掛け可なので図書館に行く時に使おうかと)
7.東京都写真美術館のカレンダー(パソコンの横に置いた)
8.ナディッフのロゴ入りボールペン(わりとどうでもい以下略)
でした。