劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【通常版】 [DVD]
蝉が!玄関前の廊下に!ご臨終間際な感じでジビジビしてる!入れない!この虫恐怖症、いい加減に治らないかな。子供のころから蚊にすらびくびくしてた。とエレベーター前で逃避してメール打ってるのも悲しいのでコンビニに一次避難して策を練る。

帰って来たらお静かになっていらしたので、そろーっと通り抜けた。

以下、空の境界/第五章『矛盾螺旋』観てきた。ネタバレです。
前に観たアイゼンハイムよりおもしろかったです。どんな比較だ。あ、魔術師つながり。


去年末から1章づつ上映してて、1章は劇場に見に行ったのですが、身内の不幸やら自分がぶっ倒れたりやらで2章以降行けず。1章が50分くらいだったから、5章もてっきり短いのかと思ってたら2時間あった。一番長い章だってこと忘れてた。料金が1800円な時点で気づけよという感じですが、水曜千円デーだったから気づかなかった。腰いたい……。

数年前、舞城王太郎目当てで買った創刊当時のファウストに、たまたま奈須きのこのDDDが掲載されてて、そこから空の境界を知りました。奈須さんの名前は聞いたことあるなーというくらいだったのですが、DDDが面白かったから、講談社から刊行されたばかりだった商業版の空の境界を買ってみた。で、読んでみた。感想:くそ読みづれええええええ!
放棄すること数知れず。いつも冒頭の橙子さんの事務所あたりで睡魔が。物語を時系列で語らない構成や、大仰な描写はむしろ好きな部分なんですが、指示詞が何を指しているのか明確ではない箇所が多いのが辛かった。というわけで数年放置の後に、アニメ映画化すると知って再チャレンジして読破したという次第です。正直、奈須さんファン以外に小説版はお勧めしづらいです。かと行って映画版をお勧めするとも言えない。小説を読んでいないと多分あまり楽しくないかと。でも映像や音楽はすごいです。レベルたけー。

原作にそれほど思い入れがないのに、なぜ映画を観に行ったのかというと、独特な背景とアクションがどう映像化されているのか興味があったからです。そしてそれ以上に、動いてしゃべる橙子さんと、橙子さんのことが大好きすぎる困ったちゃんなオッサン二人を見たかったからです!第5章の個人的最大の見所は、ロケットペンシルシーンのびっくり顔の橙子さんと、駐禁取締にキーってなってる橙子さんでした。そこか。橙子さんの心臓貫いて首ぶったぎりながら愛の告白をする照れ屋さんな荒耶や、チョコレート工場の人にしか見えないアルバもきもかわいかったです。あと使い魔の猫が、予想以上に猫でした。
まともな感想も一応。中盤までは原作以上に時系列をシャッフルした構成です。それが何を意図した演出なのかと首をかしげていたのですが、式リターンズのあたりで納得しました。空間遮断の結界内で式が見ていたビジョンなんですね。あの演出はなかなか良いと思います。ただ小説未読の人にとっては、意味不明なシーンのパッチワークのようで辛いだろうなあ。
荒耶の登場の前後と、古刀でフルボッコ前後のアクションはド派手で文句なしです。三重結界が美しかった。
ただ、荒耶さよならシーンのあたりは、もうちょっとカット割りで演出してほしかったです。
小説読んだ人は観るべきだと断言できる映画シリーズになっていると思います。